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3年で9割が倒産も。「生き残り」から「損切り」へ動く、新型コロナ影響下の飲食店経営 #タバボノ

新型コロナウイルスの影響で、壊滅的な業績悪化に苦しむ飲食店が増えています。いま飲食店ができることは何があるのでしょうか?

今回『BIG WAVE』では、田端大学の塾生であり、飲食店経営やデリバリーの導入に詳しいA氏にインタビューを行いました。

実名公表不可のA氏ですが、田端大学内でも本質をつく鋭いコメントで独特の存在感を放っており、ぜひ今の状況についての見解を教えてほしいと塾長・田端信太郎が要請し、記事化が実現しました。

まさに今、このタイミングこそが「この先も経営を続けるべきか否か」を判断するターニングポイントだとA氏は言います。

新型コロナで大打撃を受けた飲食業界

記者:そもそもAさんは、何者なのでしょうか?

A氏:私は飲食以外にも色々な事業を展開している経営者です。飲食関係はその中でも専門分野の一つで中の経営も分かりますし、最近ですとUberEatsなどデジタルトランスフォーメーション関連の導入支援も行っています。

飲食店の状況は、新型コロナが経済に与えた影響を考える中で、最も身近で分かりやすい事例です。飲食業界に身を置く者としても、日本経済を考える者としても、非常に注目しています。

今回は、

1.現状の整理
2.その対応方法
3.対応の問題点
4.じゃあどうしたらええねん

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この4つの段階に分けてお話できればと思います。

終わりの始まり―1.現状の整理

記者:新型コロナの影響で、実際に世の中の飲食店はどのような状況なのでしょうか?

A氏:今の飲食店の状況は大きく3つに分けることができます。

a.オフィス周辺で2月から売上が半減
b.繁華街で2月から予約キャンセルで売上が25%下がった
c.住宅街で売上はあまり変わっていない

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現在のフェーズとしては、ちょうどフェーズの転換期で、なんだか3流ライターが好きそうなフレーズを使うと「終わりの始まり」というギア2段目に突入したのが、今日、2020年4月4日(土)です。

※取材日は4月4日(土)

昨日(4月3日)までは、飲食店は「この辛い中でどうやって生き延びるのか?」を探っていましたが、今日(4月4日)からは「閉店を決めたのでどう損失を最小にして閉めるか」を考えるフェーズに入りました。

大手飲食店も4月4日(土)から営業自粛したところが多いと思います。自分が関わっている飲食店も今日1店舗閉める判断をして、明日別の店舗をもう1つ閉めます。

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記者:なぜ4月4日(土)がターニングポイントになるのですか?

A氏:どこかのアホが「4月4日(土)から足並み揃えて営業自粛って事はロックアウト!?」なんて書いていましたが、知識のない人が幻想で生み出すデマはほっといて、きちんと経営しているとターニングはピンポイントが4月4日(土)なのです。

なぜ4月4日(土)なのかを書くとそれだけで一晩語り明かせちゃうくらい深い話なので詳しくは語れないのですが、都知事が会見するたびに「売上が減って、これがいつまで続くかがわからない=耐える」という心理からだんだんと「損切り」の心理に変わります。

もちろん平日金曜日までやってからですから、営業を止めるなら土曜日からです。となると4月4日(土)から閉めるのは普通なんですよね。合理的な判断だと、どこの飲食店も同じ日に閉める決断をします。

飲食店を潰さないためにできること―2.その対応方法

記者:売上減少への対策として飲食店ができることはないのでしょうか?

A氏:飲食店を潰さない対応として昨日までやられていた対応を大別します。

・来店以外の販売チャネルを増やす(デリバリー、テイクアウトなど)
・デポジット商品券系
・セーフティ融資系

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リアル店舗での集客が難しい場合、飲食店ができることといえばだいたいこのあたりになります。

焼け石に水にしかならない-3.対応の問題点

記者:これらの対応では売上改善ができないということですか?

A氏:全くできないとは言いませんが、今回の新型コロナの影響はあまりにも大きいので、焼け石に水程度にしかならない、というのが私の考え方です。

それぞれの対応策の問題点を考えてみましょう。

・来店以外の販売チャネルを増やす

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テイクアウト、デリバリー、の2つがわかりやすいですね。

「来店が無いなら、非来店売上を増やせば良い」というのは正しい判断です。実際、今UBEReatsに参入する飲食店がとても増えています。

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でもコレって、お店の売上を10%ぐらい改善する方法でしかないので、売上半減といった規模の落ち込みには対応出来ないんですよね。コロナ初期ならよかったんですが、自宅謹慎している今はもう意味がないです。

「自宅にいるならUberEatsの需要は上がるはずでは?」と思った方。先月UberEats何回使いました?需要より供給(加盟店)が増えればそんなの関係ないです。

・デポジット商品券系

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実はこれも先月前半ぐらいまでは、これこそが答えなんじゃないかと思っていました。寄付ではなく、前払いという形でお店にチャージして、お店はそのお金で当面持ち堪えて、お客さんはまたコロナが落ち着いてから使えば良いという仕組みです。

最初は、すごく良いなと思っていました。ただ、この方法はあくまでも利益の先食いでしか無いので、一時的な延命にしかなりません。

「この2ヶ月さえ耐えれば!!」みたいな時には良いんですが、この先もっと悪くなるのに先に利食いするのか…と思った時に以前飲食業界で似たようなトレンドがあったのを思い出しました。アレですやん、グルーポン。

1万円の食事券を5000円(半額)にして200人集めて100万円、お店には半分の50万円が前払いで入る。前払いの50万円って飲食店にとってすごく嬉しかったんです。

でも、それから1万円クーポンを持った200人に200万円分の無償提供ですからお店の経営は圧迫されます。

利食い

今回はここまで酷くはありませんが、利食いって良くないんですよ。先に貰った時点でその時の支払いなどに使っちゃうので、苦しさを後延ばしにしてるんだけなんですよね。

個人でもわかりやすくいうと、給料を前借りして滞納してた家賃で使っちゃったみたいなイメージですね。今はいいけど、その後どうやって生きていくのか…。

・セーフティ融資系

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(画像転載:経済産業省北海道経済産業局

現状はコレが1番まともです。とはいえ、倒産タイミングを後ずらししているだけなので、3年で9割潰れるでしょうね。

「9割も潰れるわけないやん?」と思った方、平常時の飲食店3年生存率は3割しかないんですね。7割閉店。コレに加えて借金返済ですから9割閉店は現実的です。

4.じゃあどうしたらええねん

記者:でも、じゃあ、結局飲食店はどうすればいいんですか…?

A氏:コナンくんは真実は一つと言いますが、多面的で時間軸もある現実世界だと答えは100個あるはずです。

ちょうど田端大学で始まった「#タバボノ」では、その答えのいくつかを提供することができますよね。

様々な業界で働く人々がそれぞれの視点で、それぞれの立場で、それぞれの角度で、どうしたらいいか考えると、一人の専門家が考える以上の答えが見つかるかもしれません。

※「#タバボノ」
4月6日(月)にスタートした、田端大学のプロボノプロジェクト。新型コロナウイルスで経営に打撃を受けたお店や会社を田端大学のメンバーが無償支援します。

一つの答えとして私が持っているのが、冒頭でお伝えした通り「店を閉める」ということです。

お店はお金を産むから資産なのであって、お金を奪っていくお店なんて負債でしか無いので、先が見えないなら損切りしましょう。

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「スパッと損切りしつつ、どうソフトランディングさせて被害を最小にするか?」

コレを考えるタイミングが、これから始まる新しいフェーズです。

休業補償をうまく使う、物件の解約届けを出しつつ店舗の売却を模索する、営業して赤字と営業せずに赤字どちらが大きいか検討する、などなど。一般的に店舗の解約は6ヶ月前解約予告です。

ポスコロ飲食店が取るべき戦略として推奨するのが、被害を最小限に抑えた撤退というと不満があるかもしれません。が、死に体を生かし続けるよりも、いっそ切って成長産業に再投資した方が良いという考えもあるんですよね。

赤字の飲食店続けるより、飲食店の冷凍通販支援とかやったら泣いて喜ばれますよ。

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記者:ポスト・コロナ時代を飲食店がどう生き残るかというお話を聞くつもりでしたが、Aさんはすでに撤退を決断するフェーズに入っているというお考えなのですね。

A氏:これが全てではありませんし、売上の状況によってはまだまだできることもあるでしょう。それこそ「#タバボノ」には、そのような良い意味での変革をサポートすることを期待しています。

しかし、私はプロとして、自分にしか出せない意見をわかりやすく伝えること以上に、自分が意見を言う価値は無いと思い、今日のインタビューに答えました。

出されたお題が「どうやったらお店が潰れないか?」だったとしても「一度潰してXXXに生まれ変わらせては?」と空気を読まずに答える程度には、誠実でありたいと思っています。

(終)

取材/文:但馬 薫

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