
あなたの商品価値はどれくらい?ビジネスパーソンとしての自分自身をセルフチェック!
明日、いきなりリストラされたとしたら、あなたはすぐに次の仕事を見つけられますか?
自分という人間を「商品」として見たときに、企業はあなたにいくら払うと思いますか?
自分にはそれだけの価値があると、論理的に説明できますか?
誰でも、いつ今の仕事を失うか分からない現在。自分の商品価値を客観的にアピールする術は、ぜひ身につけてください。
結論。職務経歴書(レジュメ)を書くべし!
6回の転職経験を持つ、田端大学塾長 田端信太郎は「転職を希望しているかどうかに関わらず、自分の職務経歴書を1年に1回書くべし!」と強く主張しています。
※なお、今回の記事はこの動画をまとめた内容が80%なので、「私は文字より動画派よ!」という方はYoutubeでどうぞ。でも最後まで読んでくれると、ライターが喜びます。
今回のカギとなるのは、上司や会社ではなく、社外の人に対して「私はこんな仕事をやってきて、これだけの価値がある人間です」ということをアピールするという点です。
自分自身を俯瞰する機会を定期的に設けることで
・いざという転職のタイミングでも自己PRに困らない
だけでなく
・これまでは「点」でしかなかった仕事が未来を見据えたものに変わる
・過去からの進歩が分かり、次のモチベーションに繋がる
など、仕事の進め方にも良い影響をもたらしてくれること間違いなしです。
新卒で入社をして、そのまま一つの会社で勤め続けている方であれば、これまで自分の仕事を客観的に言語化するという経験がなかった人も少ないのではないでしょうか。
しかし、社会が激動している今、「あんなに安泰だと思えた会社」でも倒産してしまったり、大規模リストラが実行されたりする可能性は十分あります。
そんなとき、これまで上司の指示だけを真面目に聞いてきただけの人は、社内での評価が良かったとしても、外に出てから通用しません。その人の価値が他の人に分かりようがないからです。
あなたの仕事には、そしてあなたというビジネスパーソンにはどれだけの価値があるのか、ぜひ定期的にセルフチェックしてみてください。
ビジネス力を測る、6つのセルフチェックポイント
定期的に職務経歴書を書くことをレジュメイングといいます。具体的な職務経歴書の書き方はここでは割愛しますが、チェックしたいポイントは6つです。
①あなたは何をしていて、顧客(雇用主、クライアント)にどんな価値を提供しているか説明できますか?
②実際に何を達成してきたのか具体的に説明してください。
③自分の業績を証明してくれる顧客や上司はどれくらいいますか?
④自分のスキルが業界で優れていると思いますか?また、それを証明してくれる人はいますか?
⑤損得抜きで協力してくれる社外の人脈をどれくらい持っていますか?
⑥今年書く職務経歴書は、去年のものと比べてどれくらい進歩したものになりますか?
この記事の最後にPDFファイルを貼っておくので、ぜひ印刷してご活用ください。
このとき大切なのが、それぞれの質問に具体的に、(できるだけ5W2H)で答えること。
田端大学では、入学時の課題として自らの「ブランドピラミッド」を書かなければならないのですが、大半の人が塾長である田端信太郎から「曖昧すぎる」というマジレスをもらっています。
「クライアントに喜ばれました!」―「だから何?」
例えば、「どのような成果を上げてきたか」という説明をするときに、「たくさんのクライアントに喜ばれました」と答えても、聞いた側は「はぁ?だから何?」と思うだけです。
確かに、クライアントが喜んだことも事実で、「ありがとう」と心から感謝されたのかもしれません。しかし、客観的にその意味が伝わらなければ、あなた自身の商品価値を証明してくれるものにはならないのです。
職務経歴書を書くときには、「誰が、どういう場面で、なぜ喜んだのか」を具体的に説明することを意識します。
「創業したばかりのビールメーカー〇〇の新商品発売に合わせて記者会見イベントをセッティングしました。そのイベントをきっかけに、これまで認知度が全くなかった会社がSNSを中心に話題となり、新商品のビールも当初の目標の2倍、〇万本売れました。そのこともあり、〇〇の社長である■■さんは、私を広報として絶対に推薦してくれるはずです。」
と、これくらい具体的に書き出してみてください。
いざ、書こうとすると「全然書けない!」「書くことが思いつかない!」と思う人もいるかもしれません。俺ってイケてると思っていたのに、書いてみたら全然パッとしないという人もいるかもしれません。
書けなかったら書けなかったで、自分の課題が見つかったと考えれば、これからやるべきこと、強化すべきことがはっきりします。まずは書いてみて、自分と向き合わなければ、何も始まらないのです。
あなたに、お金を払う価値はあるか?
そもそも、なぜ商品価値を客観的にアピールする必要があるのでしょうか?それは私たち一人ひとりが、ビジネスパーソンという「商品」だからです。
企業が人を雇う、ということは、その人の価値を見込んで、その人の時間や労力、あるいはスキルをお金を出して買っているということです。客観的に見て、価値があるかどうか分からなければ買えない、というだけの話です。
例えば、ジュースを一本買うときでも、
・どういう味で
・どれくらいの人が美味しいと言っていて
・実際にどれくらい売れてきたか
という情報が購入の後押しになることはよくあります。
インフルエンサーの〇〇さんおススメ!
日本全国で5000万個売れました!
モンドセレクション金賞!
商品のパッケージには、その価値を高めるために、たくさんの言葉が添えられています。
同じように、自分という人間を、一人のビジネスパーソンという「商品」としてみたときに、あなたなら自分のパッケージをどのような言葉で飾りますか?
目の前の作業が、未来の職務経歴書を作る
さて、ここまでは前述の田端信太郎の動画の内容をまとめてきたのですが、最後にこの記事をまとめているライター自身が感じていることをちょっとだけ述べさせてください。
私はフリーランスなので、職務経歴書というよりは、ポートフォリオという形で自分の仕事を客観的に提示するためにはどうするかを、日々考えています。(やることは同じです。)
未来のポートフォリオに載せよう、職務経歴書に書こう、事例として紹介しようという視点を持った途端、今、目の前にある仕事が、ただの「点」でしかない作業から、未来への種まき、線の起点(通過点)に変わります。
個人的な話で恐縮ですが、田端大学に入学し、このように自分を客観視する習慣をつけてからは、クライアントに対して必ず「これは、クレジット掲載可能ですか?」「事例として他で紹介可能ですか?」と確認するようになりました。
フリーランスと組織の中で働くサラリーマンとでは、この過程は違うかもしれませんが、今目の前の仕事が未来へ繋がると考えるようになると、結果に対する執着心も変わります。
中途半端で終わらせてしまった仕事は、職務経歴書にもポートフォリオにも載せられませんからね。
文:但馬薫