
結局、お金を稼ぐなら、正々堂々が一番いい。せこく小銭を稼ぐことで失うものとは。
お金がない、お金がない、お金がない……
それでもご飯は食べたいし、できればお酒も飲みたい。
そんなとき、こんな簡単な儲け話を振られても・・・絶対に釣られないでください。
大学生が"飲み会"で稼ぐ方法。
飲み会を1人5000円で募集して、10人集める。そうすれば5万円の売上が立つ。それで1人3980円くらいの「大人数限定食べ飲み放題プラン」とかを探し、自分は幹事特典で無料の所を選ぶ。そしたら自分はタダ飯を食べれるだけでなく約1万円の利益。月5回やればバイト脱却。
これは、以前Twitterに投稿され物議をかもした「稼ぐ方法」。
飲み会で10人集めるだけ。それだけでアルバイトとは無縁の生活を送ることができます。
しかし、実践するのはお勧めできません。
この方法は、倫理的に良くない点を除けば、利益を上げること自体には成功していると言えます。しかしそれではなぜ良くないのか?
日々お金を稼ぐことを考えているオンラインサロン「田端大学」のオウンドメディアとして、今回は”せこく稼ぐ”ことのデメリットを見ていきたいと思います。
何故「情けは人のためならず」なのかーー長期的な視点がビジネスには必要
こんにちは。田端大学の公式メディア「BIG WAVE」の岩崎です。実は、恥ずかしながら、僕自身がつい最近まで「せこく稼ぐ」思考の持ち主でした。
仕事も時給換算で考え、なるべく自分が得するように動いてしまい、相手に利益を与えるかは二の次。冒頭の飲み会費のピンハネのような話も、以前の僕であれば「お!いいかも?」と思っていたかもしれません。
では何をきっかけに考えが変わったのか。
それは、この「BIG WAVE」の編集会議で田端信太郎に「どれだけ価値を生めるか考えてほしい」と度々言われたことです。
価値を生み出すときに欠かせないのが「ギブ」の視点。田端信太郎の言葉とともに、なぜギブの思考が重要なのかを考える上で参考になったのが『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』という本です。
以前の僕と同じように、目先の利益を考えて動いてしまっている人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
著名人のYouTubeチャンネルなどでも取り上げられているため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
『GIBE&TAKE』内では、人間を次の3タイプに分類しています。
①ギバー(人に惜しみなく与える人)
②テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
③マッチャー(損得のバランスを考える人)
飲み会を元に例えると、次のような感じでしょうか。
①奢る人
②たかる人
③ご馳走になったら次に奢り返す人
最初の飲み会について言えば、ピンハネする幹事は②に近い存在であることがわかると思います。
自分から「奢って」と言う人が煙たがられるのは当然ですよね。
では、このように知らない間にピンハネすることがリスクとなるのはなぜでしょうか。
それは、自分の信用を切り売りしているからに他なりません。
ビジネスはお互いの信用を前提に成り立つもの。言うなれば、ピンハネは信用という自分の資産を切り崩して現金化しているようなものでしょうか。
飲み会の費用はたいていの場合調べれば分かります。調べずとも当日出てくる物を見れば、なんとなく高いか安いかは察せられるでしょう。
となると、当然会費が通常よりも高く設定されていることがバレバレ。
「あいつが主催している飲み会には行かない」と判断され、リピーターは獲得できません。
それだけでなく、口コミで悪評が広がっていけば、新規参加者の獲得も非常に難しくなっていくでしょう。
このように信用の減損を考慮した場合、目先の利益を得ようとすることは、論理的にもオススメできません。
例えば、ラーメン屋が新たにオープンした時。
物珍しさで最初は客の入りはあるかもしません。
が、原価率が下がり、到底満足のいかない味で提供されれば、顧客は質の悪い店と認識し、二度とその店には行かないでしょう。
すぐに利益を出そうとした結果、しばらくすると売り上げすら立たなくなってしまうのは明らかですね。
相手に利益を与えるには、何をすれば喜ぶのかを考える
飲み会を主催する場合、毎回毎回新規の顧客を獲得するための手間がかかります。集客に手間取れば、最悪バイトをした方が時給換算で良いかもしれません。
逆に、満足度を高め、リピーターを獲得できれば、営業活動に割くコストが格段に減ります。
では、飲み会の主催をビジネスとして成立するのにはどうするのか。
いくつか例を挙げてみます。
1.価格の引き下げを行う(コストカット)
提供価格を引き上げるのではなく、原価を下げることで利益を生む方法です。
この場合、引き下げ方法は様々。直接店舗と交渉して料理のグレードを下げずに引き下げられればベストですね。
ただし、単純な値下げ交渉では話にならないため、店舗側にもメリットのある提案が必要です。(リピート利用、大規模利用など)
2.集まることに価値を生む(体験価値の付与)
極端な話をすれば、「飲み会に参加すれば、自分の好きな芸能人に会える」と言う内容ではどうでしょう。
自分の趣味・嗜好に刺さる形で飲み会を開催してもらえるのなら、非常に魅力のある提案として写るはずです。
もちろん、上の例で言えば芸能人側にメリットがありません。にも関わらず、自分が利益を取ると搾取する対象が参加者から芸能人に変わるだけなのでご注意を。
3.他の人に費用を負担させる(広告宣伝)
いっそのこと他の人に費用を負担して貰うのはどうでしょう。
2では「参加者が行きたい」と思う動機付けを行う手法でしたが、こちらは参加者が魅力的だと感じてもらう方向性です。言葉を選ばずに言えば、参加者を商品化します。
例えば、マイナビやリクナビと言ったサービスを学生が無料で使えるのは、サービス提供者が企業側から費用を取っているからですよね。
その点で言えば、就活サイトのようなサービスにおいて、お金を落とす顧客とは企業であり、就活生は商品になります。
この考えをもとに、企業が求めるターゲットを高い精度で集めた飲み会を主催できたらどうでしょう。採用にかかる経費と天秤にかけて、十分なメリットがあると考えて貰えれば、場代の交渉も受けあってくれる可能性があります。
ビジネスの本質は「相手に利益を与えること」
どうすれば飲み会をビジネスとして成立させられるのか、いくつか例を挙げてみました。
いずれの案でも共通しているのは、周りに利益を生むことを前提としていることです。
ビジネスの本質は、どれだけのメリットを相手に提供をするのか。
目先の利益だけを考えていては、決して大きくリターンを得ることはできません。
相手に利益を与えて獲得する信頼こそが、将来的に貴重な財産となり得ます。
『GIVE&TAKE』では、データや事例をもとに、「与える人」が成功する理由が記されています。
「どうしても目先の利益を考えてしまう」「ビジネスの本質を知りたい」と言う方は、是非目を通してみてください。
結局、正々堂々稼ぐのが一番良い
オンラインサロン「田端大学」では20代~50代と幅広い年齢層の人が集まってビジネスについて学んでいます。平たく言うと、みんなで「どうすれば今よりも稼げるか」について考えているのです。
そこでは常に、塾長である田端信太郎から、経営者でもフリーランスでも会社員でも、どんな仕事をしていても「誰が、なぜ、あなたにお金を払うの?」と問いかけられます。せこく小銭を集めているだけでは、この答えは見つかりませんね。
自分は今のままでいいのか?もっと他に稼ぎ方があるのではないか?
と気になった方は、ぜひ田端大学に答え合わせをしに来てみてください。
この記事を書いたのは:岩崎隼斗
フリーの動画編集者として活動しつつ、田端大学公式部室で週末バーテンダーを勤める。BIG WAVEでは、若手ビジネスマンや学生向けに固いビジネスの話を噛み砕いて伝えることを信条に記事を執筆中。(@iwashaki_write)