
コロナ時代も変わらない。事業を成長させるリーダーがなすべき、普遍的な仕事|田端信太郎のマネージャー論
組織をマネージメントし、事業を成長させるリーダーに求められる仕事とは、具体的になんだろうか?
そんな疑問に答える最良の本が、インテルの伝説的な元CEOアンディ・グローブが書いた「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」。1983年の本だが、35年の時を経て、陳腐化するどころか、新鮮ですらある名著だ。
田端信太郎は「マネージャーが本当になすべき仕事とは? マネジメントとは?」ということを書いた本として、これほどまでに理論と実践が高度に融合した本を知らない、と絶賛する。
新型コロナウイルスの影響で、売上が落ち込み、変化を余儀なくされている事業者も多いだろう。だが、マネージャー、事業リーダーに求められる仕事は変わらない。
変化の時代だからこそ、田端大学の非公開コンテンツを、今こそ公開する。
※「田端大学 ブランド人学部」2018年9月25日に実施された、第4回ゼミ・田端信太郎の講義より(書き起こし:大森陽介、編集:寄金 佳一)
課題図書「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」(アンドリュー・S・グローブ 著/小林 薫 翻訳)
自身の部署が何を「インプット」し「アウトプット」しているか、はっきり言えるか?
田端:まず、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」では、朝食工場の例が出てきます。構成要素は、トーストとゆで卵とコーヒー。誰でも作れそうな朝食。
それを工場にすると、どうなるか? 小学生でも理解できそうなレベルからスタートするのが良いところです。
たかが朝食と馬鹿にすることなかれ。朝食といえば、名古屋のモーニング、「珈琲所コメダ珈琲店」を思い出しますよね。
コメダって凄い優良企業なんですよ。株式会社コメダホールディングスは、2016年6月29日に、東京証券取引所市場第1部に株式上場しました。
いろいろなマジックや秘密があるんでしょうけど、興味の有る方は、コメダのIRを見ていただいて、どういう意味で優良企業なのか、考えてみてください。
「珈琲所コメダ珈琲店」は、スターバックスやドトールなどと競合してない。「珈琲所コメダ珈琲店」の競合企業が思いつかないのが面白いところです。
「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」の徹頭徹尾いいところは、朝食というシンプルにしてみんなが食べているもので、例えていることです。
朝食工場のマネージャーが出すべきアウトプットは、「おいしい朝食です」。皆さん会社で、いろんな部署に属していると思います。その自分の部門のアウトプットってわかるでしょうか?
朝食工場をブラックボックスと捉える……理系風に言うと関数と言ってもいいですが、仕事というものには、必ずインプットがあって、アウトプットがあります。
自分の部署は何をインプットしていて、何をアウトプットしているのか、貴方ははっきり言えますか?
自分が管理職なり、部門を率いている存在ならば、自分が責任を持っているチームや組織は、そもそも何がインプットされ、何をアウトプットしているのか。これについて、本質的に考えてほしい。
有能なマネージャーは、同じインプットで、より多くのアウトプットを生み出す
田端:さらに、同じアウトプットを、どうやってより小さいインプットで生み出すか。同じインプットなら、より多くのアウトプットをどう生み出すか。これこそがマネージメントの重要項目です。
インプットを2倍にしたら、アウトプットが2倍になりました!というのでは、マネージャーとして生産性の向上に何の付加価値も出せていませんよね。
でも、往々にしてそういうマネージャーがよくいます。「売上を2倍に増やしたい!だから君らは2倍働け!」とか。「2倍働くために徹夜しろ!」とか。こういうマネージャーは下の下だと思います。
ボトルネックを特定せよ
田端:そのうえで何が大事かというのは、この本でも、さんざん登場する「リミッティングステップ」。「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」でいう、「ボトルネック」は何かを把握することです。
温かくて、満足度の高い朝食を提供するために、卵、トースト、コーヒーの3点セットがあるとしたら、その時にボトルネックになっているのは何か?
「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」で言うと、卵をゆでるのに最も時間がかかっているとしたら、卵をゆでる部分がボトルネックなんです。あたり前と言えば当たり前です。
この場合、厳密に考えると、インプットは生卵です。それに対して、ガスや人間がゆでる手間暇があって、アウトプットとして、ゆで卵が中間材としてでてくる。
これが深いテーマなのは、朝食工場のトーストのインプットは、焼く前のトーストのことなのか、小麦やイースト菌などの原材料なのか。何がそもそもインプットであるべきなのか。
これははっきり言って自明ではありません。もしかしたら、その日の朝、こねて、自然酵母で発酵させた手作りトーストが売りの朝食屋さんだっていいわけじゃないですか。
だとしたら、朝食工場のインプットは、小麦粉やイースト菌、自然酵母かもしれません。
卵の話に戻ると、生卵をインプットとして仕入れるのを止め、すでに茹で上がったゆで卵をインプットとして仕入れ、サッとお湯をくぐらせて温めるだけ、という方法も考えられます。
別に、かならず「生卵」をインプットにして、それを生からボイルしないといけないとは決まってないわけです。
“コーヒーを注ぐ” ということは、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」の中では、一番軽視されてるみたいですけど、一杯一杯ドリップしたコーヒーの味で差別化したっていいわけです。
私が面白いと思ったのは、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」は、「インテル」というメーカー中のメーカーの、伝説のCEOが書いた本で、メーカーとしての発想で書かれています。
でも、マネジメントの本質というのは、どんな業界でも変わらないとわかりました。朝食工場というわかりやすい例えのお陰ですね。
これが半導体工場で、シリコンウエハーとか言われたらわかりませんが、トーストと言われれば、自分でもわかる、と思えるでしょ。
直接のアウトプットとは関係ない “調整仕事” こそマネージャーの腕の見せどころ
田端:大事なのは、「ボトルネックは何か」を把握し、改善することです。
もし自分一人だけで朝食工場をやっており、卵をゆでる、トーストを焼く、コーヒーをいれる、と一人ですべてやるなら、そこにピープル・マネジメントは必要ありません。
しかし、人数が増えていくと、例えば、車メーカーでも、一人のエンジニアが、最初から最後まで担当するやり方と、流れ作業で「この人はドアの取っ手をつけるだけ」みたいなやり方があります。
そういう分業作業の中で、ウェイターが、トーストの焼き上がりを待つ行列でみんなが立ち往生しています。
トーストがボトルネックだとしたら、トーストは焼くのがうまい人だけに担当させて、縦ではなく横で分業するというやり方もあります。
うまくいくことばかりでもありません。トーストは1分に1枚焼けるけど、ゆで卵は30秒に1個で茹で上がるペースだったとする。トースト担当と、ゆで卵担当が、何も考えずにフル操業していたら、ゆで卵、余っちゃいますよね。
そういう時に、お客さんの入り具合を見て、今は、ゆで卵を作らなくていいから、トースト焼いてって指示を出すのが、マネージャーの腕の見せどころです。
人が増えてくれば、直接のアウトプットとは関係ない、調整仕事にかかる人間が増えてきます。
もし、トーストがボトルネックになっているのであれば、トースターをもう1台買う。これはまさしく工場で言えば、生産ライン増強のための設備投資です。
トースターがボトルネックで、トースターを1万円で購入して、生産性が向上し、お客さんの回転もあがって、半年以内に回収できるとしたら、トースターを買った方がいいということになります。
工場の設備投資の意思決定というのはある種こういう感じですよね。
唯一絶対の正解はない。トレードオフで決まる
田端:トースターはないけど、ゆで卵をゆでる機械にガスバーナーがあって、そのガスバーナーで、トーストをあぶったら、同じようにトーストすることになるかもしれない。
もし、人件費が安い国だとしたら、ゆで卵をゆでているガスバーナーで、隣で誰かがトーストをあぶっていたっていいわけで、これも一つのやり方です。
マネジメントにおいて、永遠に当てはまり続ける唯一絶対の正解はありません。
例えば、トースターをもう1台買うべきなのか、ゆで卵のお湯をゆでているガスバーナーであぶってトーストをつくるべきなのかは、どちらが正しいかわからない。
「トースターがいくらで、人件費はいくらなのか」という、関係するパラメータ同士のトレードオフの中で、どっちをやった方がいいかが、決まるわけです。
どちらが常に正しいかなんて、事前に明確にはわかりません。めちゃくちゃ人件費が安くて、トースターが超高いアフリカの奥地であれば、焚火でパンをあぶったっていいわけです。
アウトプットとして、こんがり焼けたトーストがついている美味しい朝食が提供されるのであれば、なんだっていいわけです。そういうことを考えるのがまさしくマネージャーの役割なんです。
手段として、例えばストップウォッチを使うのは、何にどれくらい時間がかかっているのかを図って、ボトルネックを把握するためなんです。
とにかく、アウトプットを出すうえで、ボトルネックになっていることを把握し理解するということが、一番マネージャーとして大事なことなんです。
なにがボトルネックかは、現場の人間が一番よくわかっている
田端:この本の中で、さんざん部下と1on1ミーティングしろしろしろと言っているのも、何のためかと言えば、何がボトルネックかということは、現場の人間が一番よくわかっていることが多いからです。
トースターの前に行列ができて、そこがボトルネックだというのは、他でもない並んでいるウェイターこそが一番感じているはずなのです。
だから、1on1ミーティングで、「トースターの列がいつも大変なんですよね~」とかいう会話を引き出されたら、しめた!って感じるべきなんです。
今どきのネット業界的に言うと、営業が仕事をとってきました。でもエンジニア不足で、エンジニアのアサイン待ち。結局、お客さんにも提案したけど受注できますってなかなか言えない。だから営業強化ではなく、エンジニア採用こそがボトルネック解消につながったりとかするわけです。
あるいは、貴方が採用面接を担当する人事なら、必ず社長面接をしたい!という会社であれば、社長の時間というのがボトルネックになったりします。
社長の時間がなかなかとれなくて、面接を2週間先に延ばしていたら、競合先にいけてる新卒社員をとられてしまった。もし、社長がその場でスパッと決めていたら、こっちの会社がいいと決まっていたかもしれない。
じゃあ、社長面接って、そもそもなぜ必要なんでしたっけ? 良い人材を取るためには、すぐに面接時間の取れる人に最終決定権がないとダメなんだから、採用プロセス変えましょうよ、と言えるのがイケてる人事マネージャーです。
マネージメントの本質
田端:マネージャーたるもの、自分の組織が出すべき、本質的なアウトプットを理解する。そのために、一番必要なインプットは何かということを理解する。その中で、このインプットとアウトプットと一番ボトルネックになっていることを理解する。
この3つを1on1ミーティングを通じて、常に部下から聞くことで、その関係性を把握し続ける。
関係性はもちろん変わるかもしれない。だからこそ、定期的に行ってそれを把握し続けるということです。
ひとたびボトルネックを特定したら、医者で言ったら診断と治療があるように、「正しく診断できる」ということは、マネジメント風に言うと、「正しくボトルネックをつきとめる」ということです。
ボトルネックをつきとめたら、次は「治療」のフェーズです。ボトルネックをどうやって解消するかということです。
朝食工場で言うと、トースターが1台しかないということに対して、ゆで卵をゆでているガスバーナーのわきで、トーストを焼く、焚火でパンをあぶる。
別の方法だと、ゆで卵がボトルネックだとすると、そもそもうちそのお店は、生卵からゆで卵をつくる必要があるのか。あらかじめ、ゆで卵をおろしてくれる食品問屋がいれば、一気にボトルネックの解消ができる。
このようにボトルネックなくし、アウトプットを増やすために、前提条件や発想から変えるということが、マネージャーとして、一番付加価値が高い行為なんです。
前提から疑えるのが、優秀なマネージャー
田端:「朝食工場が本質的にだすべきアウトプットは何か」これを、温かい焼けたトーストと、温かいゆで卵と、温かいコーヒーと定義してたら、ゆで卵やトーストは常に必要になりますが、最近は糖質制限が流行っているので、トーストはむしろ嫌われだしてるのが世間のムードかもなぁ。
だとしたら、トーストを無理に出さなくてもよいのでは?と決めるのも、とても価値の有る決断です。
本質的なアウトプットは、トーストとゆで卵とコーヒーの3点セットではなくて、みんなが満足できる朝食であっても良いはず。そのためには、トーストはなくてもいい要素です。
しかも顧客や社会の変化に合わせて対応し続ける。糖質制限が流行っていることに注目して、トーストのかわりに、チキンの胸肉とゆで卵とコーヒーの3点セットだっていい。
もし、チキンの胸肉はあらかじめボイルされて、パック詰めされていて、下請け業者から、仕入れられるのであれば、トースターのボトルネックも一気に解消できます。
私がマーケティングやブランディングで、何が提供価値なのか、本質をよく考えて!と口を酸っぱく言うのは、まさにココなんです。
ああ、ここを変えられたら、工場の中で働く人が、こんなに苦労しなくてもいいのになぁ、ということが、もし顧客にとっての本質的な提供価値のために不要であれば、バッサリ辞めたっていいわけです。
「朝食」というものの本質的な提供価値を考えず、工場の人たちがゆで卵を作るのに、あと10秒縮められないだろうかなどということばかり考えていてもダメです。
本当にお客さんはゆで卵を求めてますか?ということも、ときどきは考えるべきです。本当にうちのお店が出すべき、朝食の提供価値の中で、ゆで卵はどのくらい必要な要素なのかということを、お客さんサイドから考えるのがマーケティングやブランディングの仕事です。
ゆで卵が不必要なのであれば、ゆで卵じゃなくて、炒り卵でいい。スクランブルエッグでもいい。スクランブルエッグだったらもっと簡単につくれるのでは?というふうに、発想をくみかえて、もしスクランブルエッグで顧客満足が下がらなければ、出しているアウトプットはかわっていないわけなのでね。
マーケティング的には、出すべきアウトプットは顧客満足だったり、リピート意向ですから、無理にゆで卵はいらないですよね?という風に考えてもいいわけです。
これが、ここでいう生産や製造と、マーケティングやブランディングの裏表の関係性なんです。皆さんがビジネス書とかを読むときは、その本を立体的に理解して欲しい。あらゆる角度から有機的なつながりの関係性を血肉のように理解すべきです。
「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」や「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」は、メーカー発想で書かれていて、出すべきアウトプットは、再定義したら、こうでもいんじゃないですかとか、そんなに苦労してださなくてもいいんじゃないですか?と思っています。
インテルでの有名な話で、最初はメモリをつくっていたけど、メモリーを作るのをやめて、CPUを作るようになった、これはマーケティング的な、戦略的な発想です。
だから、朝食メーカーはたくさんいるので、朝食をやめてランチやデリバリーを専門にやりましょうと、軸をずらす方法でも良いのです。
教育・訓練は、生産性向上のための手段にすぎない
田端:今時の頭脳労働の場合、ほとんどの場合において、社員の知識や技能やスキル不足が、最もよくあるボトルネックの一つです。だから、教育訓練することと、業績を上げる、アウトプットをあげるということには、矛盾はないはずです。
「研修のための研修」がイケてないのは、アウトプットと向上心の直接のリンクがないから、意味がない。ところが、本質的にいけてるトレーニングだったら、目の前のアウトプットの向上や、ボトルネック解消ができるはずなんです。
例えば、朝食工場の中で、ゆで卵の茹で方が、ボトルネックになっている、ぴったり半熟じゃないとダメなんだ!という場合、いかに半熟卵を作るか、そのスキルやノウハウを身につけさせる訓練をすると部門全体のボトルネックの解消になる。
この場合の訓練は、目の前の売上向上と全く矛盾していない。逆にいうと教育、訓練というのは、そのものに意味があるわけではなく、生産性向上のための手段にすぎないということを、忘れてはいけないと思います。
ボトルネックは永遠に存在し続ける
田端:英語でもともとのマネジメントという意味は、なんとか、やりくりすることでもあるので、インプットとアウトプットがある場合、どうやって最小のリソースで最大のアウトプットを出すかということを考える。
ボトルネックというのは、相対的なものなので、あるボトルネックを解消すると、必ず次のボトルネックがでてくるわけです。
トーストがボトルネックで、トースターを改良した途端にゆで卵がボトルネックになるかもしれません。設備増強していくと、生産能力が余ったりする場合がある。そうするともっと、朝食工場に人に来てもらうよう、宣伝や集客面での活動が、ボトルネックになるかもしれない。
最近、都心のサービス業は、とても人手不足です。人材不足がボトルネックで、ウェイターが採用できないということが、ボトルネックになるかもしれない。
どんなに立派な会社でも、必ずその時点でのボトルネックはあります。ボトルネックというのは相対的なものだから、必ず、あるんです。
だから、このボトルネックを叩くと、あちらのボトルネックが登場、モグラ叩きのようなものですが、クリエイティブなモグラ叩きを永遠とやり続けていくようなことを永遠に終わらずに続けていくことが、マネージャーの仕事なのだと思います。
ただ、イケてるマネージャーというのは、その時点でのボトルネックを特定してその改善に取り組みます。凄腕の鍼師やマッサージ師が、ツボをビタッと押すみたいな感じですね。
漫然と背中を撫でたりするようなマッサージはダメであるのと同じです。マネージャーズレバレッジというのですが、最小の労力でいかに関わるみんなが最大限、楽になるツボを特定しそれを改善することで最大の生産性向上を実現するんです。
いかに抽象度を上げて、突き詰めて考え続けられるか
田端:そして、結局、もっとも大事なのは、朝食工場だとすると、朝食工場が本質的に出すアウトプットというのは、そもそもなんだけっていうことを、抽象度をどこまでもあげて、突き詰めて考え続けられるか、ということです。
前提条件として、朝食工場は、ゆで卵とトーストとコーヒーの3点セットが出すべきアウトプットなのだと思考停止してしまえば、あとはそれをどうにかしてうまく生産するしかありません。
ところが、例えばスターバックスはサードプレイスと言ってますが、スターバックスのアウトプットは、コーヒーではないのです。
家でもオフィスでもない居場所にいてくつろいでもらうことそれ自体がアウトプットです。だから、CMにお金を使わずに、内装に投資したり音楽に費用をかけたりしています。
朝食工場として、本質的に出すべきアウトプットというのは、いったい何なんだ?みたいなのが、終わりのない問いですよね。
ヘルシーで満足度の高い朝食を出す。ヘルシーと言ったところで、肉体労働をしている人にとっての朝食なのか、頭脳労働をしている人の朝食なのか、各々ヘルシーが違う。それぞれ必要カロリーも違う。
デニーズや「珈琲所コメダ珈琲店」は、ありきたりな朝食を出しているかもしれないけど、丸の内や六本木だったら、頭脳労働のホワイトカラーのためだけの朝食があってもいい。
それは、低カロリー、低糖質、高タンパクで、飲み物もコーヒーではなくて、目が疲れているから、ブルーベリーのスムージーを出したりするのも本質かもしれない。
あるいは、仕入れなどのインプットの中で、付加価値の高い中間材を手に入れるのも大事です。例えば、ゆで卵だったら、ゆで卵で勝負せずに、ゆで卵の完成品を仕入れる。
その代わり、飲み物は、目の疲れている人のために、ブルーベリーのスムージーをその場で作って出して差別化する。トーストはそこそこ焼きたてのものを出す。
ゆで卵は、熱々じゃなくて冷めたものでいいと割り切れば、そこで一気にボトルネックは解消してしまう。その代わりトースターではなく、スムージーのジューサーを5個くらい並べる。
これは一つの解答でしかないけど、こういうことを、ああでもない、こうでもないと永遠に考えていくことがマネージャーの仕事であり、マーケティングやブランディングサイドと製造や開発サイドが、行ったり来たりすべきなのは、まさしくこういうことです。
本質的なアウトプットを提供するために、作る側と売る側の連携がないと、お客さんが求めていないのに、半熟のゆで卵を苦労して職人芸で無駄に作り続けてしまったりするということなんです。