
#ポスコロ評価経済 って何だったの?田端大学で起きていたこと【2020年3月定例会レポート】
2020年3月中旬、突如Twitter上に表れたハッシュタグ「#ポスコロ評価経済」をご存知でしょうか。
「ポストコロナを迎えた評価経済社会では●●が売れる。なぜならば、人間は××だからだ。#ポスコロ評価経済」
この(ほぼ)定型文で、一斉にツイートがなされました。
田端大学3月定例会:コロナ後に流行るビジネスを予測
実はこれは、田端大学の2020年3月定例会のための事前課題。
貨幣経済から評価経済へのパラダイムシフトを説いた「評価経済社会」(著:岡田斗司夫氏)を読み、ポストコロナ時代に流行るビジネスを予測するというお題でした。
#ポスコロ評価経済 ってのは #田端大学 の3月定例の発表者選抜のためのハッシュタグです。
— 田端信太郎@田端大学 塾長 (@tabbata) March 13, 2020
岡田斗司夫さんの「評価経済社会」を読み、それを下敷きにしつつ、ポスト・コロナ✕評価経済社会において、有望なビジネスとは何か?を考えるのが今月の#田端大学のお題です。https://t.co/fyRbqDHI49
田端大学外からの参加も多かった「#ポスコロ評価経済」。田端大学3月定例会の全容をレポートします!
発表者の座をかけ、72時間で「いいね」獲得を競う
2020年3月の田端大学の定例会は、下記のルールで行われました。
・所定の形式でお題に回答するツイートを投稿
・72時間の期限内で「いいね」数で上位4位が発表者選出
・アンフェアな行為で「いいね」を稼ぐのは禁止
・なお、当日のスライド使用は禁止。スピーチ力勝負。
当日の発表者に選ばれなければMVP獲得はあり得ませんので、まずは、どれだけ自分の投稿に「いいね」をもらえるかが勝負です。
(イラスト:いらすとや)
がっつり営業活動の裏技?予選8位→4位に急浮上!
ここで存在感を表したのが予選4位、当日4位の田中誠さん(195いいね)。「#ポスコロ評価経済」に関するツイートを集計し、noteで途中経過をまとめるなど、企画そのものの盛り上げに一役を買いました。
また、後半いいね数を一気に伸ばし8位から4位に急浮上。
その秘密は、営業活動。「#ポスコロ評価経済」の投稿に積極的にいいねをすることで、今度はお返しに田中さんの投稿にもいいねをしたくなる心理を利用したと言います。
何かを得たいなら、まず自分からギブをする!という営業の基本を実践し、発表者の枠を勝ち取りました。
「ポストコロナを迎えた評価経済社会では、評価としての知性を競う競技『#将棋』が売れる。なぜならば、人間は外に出る機会が減るが、AbemaTV将棋チャンネルの24時間放送や、将棋ウォーズ(アプリ)等、別々の場所に居ても勝負を楽しむ事が可能なインフラが完成しているからだ!#ポスコロ評価経済」 pic.twitter.com/Pory4rPZ5z
— 田中 誠(観る将.指導棋士四段) (@MAKOTOTANAKA198) March 13, 2020
「これは形式的にいいねを稼ぐ行為では?」という見方もできますが、誰でもやろうと思えばできること、との判断でセーフです!
フォロワー数の不利を覆す!人々が抱えるだろう悩みを指摘し、堂々の予選2位
そして、もう一人、「#ポスコロ経済社会」のツイートの中で目立っていたのが予選2位の向山 史織さん(275いいね)。
今回の課題は、単純にフォロワー数が多い人が有利な条件でしたが、フォロワー2000人未満と、発表者の中では一番少ないながらも「いいね」を275獲得し、文句なしの2位通過を果たしました。
ポストコロナを迎えた評価経済社会では「オンラインカウンセリング・コーチング」が売れる。なぜならば、人間は影響力のある価値観・解釈に晒され「結局、自分の幸せとは何か」と、孤独に悩み続ける。結果、心の内を安心して吐露する場を、対面接触のない安全な場にいながら求める。#ポスコロ評価経済
— 向山史織@エモいベンチャー就活 (@mukouyama4130) March 14, 2020
フォロワー数が多い人は、自らの仕事や活動と絡めた内容で既存のフォロワーからのいいねが得られます。一方、フォロワー数で劣勢であれば、さらに投稿内容を練って、フォロワー外からの人にも注目してもらわなければいけません。
向山さんは、「自らの価値観を確立できない劣等感」や「自分と向き合うことの辛さ」「孤独感」といったこれからの時代の悩みに目をつけた、社会全体を客観視したツイートでご自身の背景を知らない幅広い層からの共感も多く集めました。
勝者総取りの残酷な世界で勝ち組になる!という強い意志を見せ、当日2位!
さて当日、予選を勝ち上がった4人による一人3分間のスピーチが行われました。
予選3位通過の関さん(213いいね)は、定例会の1週間前に自身のオンラインサロン「関ピラティス道場」を開講。開講当日に50枠が満席となるなど、SNSでの発信力の強さは田端大学内でも認知されています。
ポストコロナを迎えた評価経済社会では、オンラインフィットネスは当たり前、スタジオが消え組織の力を失った時には個の力のある人が売れる。
— 関清香/ピラティスオンラインレッスン (@studioes731) March 14, 2020
なぜならば人間は、自分の声で発信している人に惹かれるから。
時間と場所の制約がなくなった時に選ばれるのは自分の名前で勝負してる人
#ポスコロ評価経済
当日も、直前までレッスンをやっていたというスタジオからのプレゼンで、説得力を高めました。
時間と場所の制約がなくなった時に選ばれるのは、自分の名前で勝負をしている人。そしてその勝負はまさに「勝者総取り」。
これまでは近所のサロンにしか行く場所がなかった顧客が、世界中から先生を選べるようになり、トップ数%の人のところに需要が集中することになります。
「それってあまりにも残酷じゃないですか?」という塾長・田端信太郎からの問いに対し、
「商圏が広がり、競争にさらされることで、みんなが自分の技術を磨こうと努力する流れになるのは非常に良いことだし、その流れに負けないように頑張るだけです」
とハッキリ答える関さんの姿は、投稿内容を自ら体現してることを強く印象づけました。
誰から学ぶかを自ら選択する時代がやってくる!実体験に基づく新たなニーズ発見でMVP獲得!
そして予選をぶっちぎり1位で通過し、当日MVPを獲得したチェルシー|AI姉さん(372いいね)。
新型コロナウイルスの影響で1か月リモートワークを続けたことで、これまで会社という場が担っていた役割に改めて気づき、今後はそれが「シェアメンター」に置き換わると予測しました。
ポストコロナを迎えた評価経済社会では「シェアメンター」プラットフォームが売れる
— チェルシー | AI姉さん (@chelsea_ainee) March 14, 2020
なぜならば人間は「自己の成長&孤独に悩む」から
リモートワークが進むと
・評価は結果のみ
・改善点を現場/先輩から学びにくい
・会社のコミュニティ価値が薄くなる
メンターをSNSで探す時代に #ポスコロ評価経済 pic.twitter.com/UcFYd7NrwR
これまでは、評価をしてくれるのは会社の上司。言い換えれば、自ら探さなくてもメンターとしての役割を担ってくれる人がいました。
これからは、会社員であろうがフリーランスであろうが、「どのような自分であるか」を自分で決めなければならないし、「どのような人と繋がるか」も自分で探して決めなくてはいけない時代に突入したとチェルシーさんは言います。
(チェルシー|AI姉さん ツイートより引用)
今回同じように初めてリモートワークを体験し、リモートならではの難しさを感じていた人々は少なくないと思います。
旬な情報を盛り込みながら、その人たちの心にある「モヤモヤ感」をうまく言語化した、納得感と説得力のある発表でMVP獲得です!
田端大学ならでは!「なんで聞くの?自分の頭で考えたら?」炸裂
今回はスライド禁止のルールがあったため、チェルシーさんの投稿に対して、「Twitterに画像を添付することもダメだと思って、自分はやめたのに…」という声があがりました。
なお、事前に塾長・田端信太郎はこの点に関してはYES/NOを明示していません。
このようなグレーゾーンで判断を自らに委ねられたとき、「やる」のか、「やらない」のか。どちらが正しいかではなく、最大のパフォーマンスを発揮するための選択を、「自分で」できるかどうかが、実はとても大事なことだと思います。
画像を使ったことで、チェルシーさんの投稿の説得力も理解のしやすさも増し、MVP獲得の一因になったことは間違いありません。
「田端さんがはっきりと良いって言わなかったから」「他の人もやってなかったから」ではなく、自分自身はどう考え、どう動くのか。そして自分の選択に責任と覚悟を持てるのか。
内容の良し悪しももちろん、どのような戦い方をするかを考えることもMVP獲得には必要です!
田端大学の3月MVP獲りました!
— チェルシー | AI姉さん (@chelsea_ainee) March 16, 2020
岡田 斗司夫氏の著書「評価経済社会」をテーマに、ポストコロナ時代の評価経済はどうなるのか?を発表&議論!
📕 https://t.co/fw8WQsYgyf #ポスコロ評価経済 というハッシュタグでも盛り上がりましたが、ご意見・反応いただいた方ありがとうございました! pic.twitter.com/Psi2wqWafq
チェルシーさん、おめでとうございました!
お金の時代から、評価の時代へのパラダイムシフト
今回の定例会の課題図書となったのは、岡田斗司夫氏の著書『評価経済社会』(株式会社ロケット)。
「Twitterのフォロワーが100万人いる人が1億円かせぐのは簡単だが、1億円持っていてもフォロワーを100万人にするのは難しい。」など、これまでの貨幣経済から評価経済への移行を7年も前の書籍に書かれています。
(8年前の岡田さんと塾長・田端信太郎との対談風景。
動画:https://youtu.be/5SXxgWQsIxA)
(今回、新型コロナウイルスの影響で、もともと予定されていた岡田斗司夫さんの登壇は延期となり、田端大学と岡田さんとのぶつかり合い、そして「評価経済社会」についてのより深い議論は持ち越しとなりました。)
本気でMVPを狙う猛者たち集まれ!
田端大学として定例会のレポートを出すのは初めてですが、塾長・田端信太郎や他の塾生からのマジレス、フリーディスカッションの様子などここには書ききれなかったこともまだたくさんありました。
田端大学ではどれだけお金を積んでも、発表者の枠は買えないし、MVPにもなれません。
年齢も性別も業種も全く違う人たちが、本気で競い合う、ガチンコのビジネス道場にあなたも参加してみませんか?
我こそは!とたぎる方々のご参加をお待ちしています。
取材/文:但馬 薫
グラフィックレコーディング(アイキャッチ画像他):守隨 佑果